訪問に行くと、いつも玄関のドアを開けておいてくださいます。
荷物を持ってくるから、すっと中には入れるようにと、お気遣いくださるのです。
本日の訪問アロマケア。
いろいろなお話をしてくださいます。
お体に触れている間、ずっとお母様との会話が心地よいです。
昔のお話。
戦争中の疎開話やお父様とのことや、遠い昔すぎて、忘れていたけど、思い出したわとか、
どんどん出てくるのですね。
高齢になると、いろんな想い出が引き出しの中にたくさん閉まってあって、それを一つづつ開いていくかのように。
「一人の力で生きてきたと思ったら、それは違うわよ、」
私にもためになるアドバイスをいただきます。
いつも愚痴は言わず、思い出話に花が咲きます。
高齢になると、今という時の中だけで生きているのではなくて、想い出とともに過去も現在も同じ次元で生きられる。
苦しい想い出も、感謝の気持ちに変わりながら。
そして今という時間軸には、これから先の気がかりなことや、自分が旅立った未来のことまで考えてみたり。。。
「自分の行きたいところに自分の力で行けるって、ゆっくりでも歩けるって、すごいことよ」
行きたいところに一人で行ける。
そんな当たり前にできていたことができなくなっていく辛さ。
精神的な辛さ。
肉体で感じる、今まで感じなかった体の不自由さ。
どちらも痛みとして自分の中にのしかかってくる。
それをどう受け止めていくか。
今、女性のほうが長生きですね。
そして女性のほうが、運動器系の不自由を感じている方が多いのではないのかな?
老後の自分を今からいろいろ想像してみることも大事かもしれません。
この前ベニシアさんが70代で亡くなられましたね。
昔、講演会を聞きに行ったことがあり、その時のベニシアさんは、舞台の袖にちょこんと座り、足を子どものようにブラブラさせて、会場の私達に話しかけてくださいました。
無邪気なこどものような、妖精のような愛らしさを感じました。
テレビのことも話されていて、ベニシアさんはテレビよりももっとリアルに人間ぽくて、ストレートな感情を表現される素敵な方でした。
癒やし一色のようなイメージですが、もともとエネルギッシュな女性だったのではと思います。
そんなベニシアさんも、病には勝てなかったのですね。
病後のお姿をYou Tubeでみて、以前のお姿との違いに、お辛かっただろうと闘病されるベニシアさんの心情が感じられました。
人は誰でも自分の肉体機能を失うと、心が一気にやられます。
そして、自分の心の奥とつながっていってるような、未来の時間軸のなかで生きていく。
高齢者の方との時間は、その部分を、ポロリとお話してくださることがよくあります。
家族にも言えない本音。
人生の総決算からでる音。
私はそんな時間をとても大切に思います。
今日は、訪問先のお母様が
「あなたのお母さんと一緒に読んでみて。そしたらお互いが少し優しい気持ちになれるから」
と本を貸してくださいました。
これから読んでみますね(*^^*)